TOEIC L&Rテストで高得点を取る人は英語ができる。そう思っていませんか?
しかし、実際のところ、日常やビジネスで使える英語力とTOEICスコアは、イコールではありません。TOEICができても、英語を使えない人はたくさんいます。
逆に、ネイティブだからといって、TOEICで満点(990点)を取れるとは限りません。
例えば、他言語を学ぶ際に「難易度が高い」と感じる長文問題は解けても、基本的な問題とされる文法や語彙の箇所で迷いや間違いが生じる可能性があるからです。
この記事では、TOEICスコアが、英語力に直結しない理由と、言語力を育てるための3原則を解説します。
→【期間限定】楽しくスラスラ!今までの学習や経験を活かして話せる英語を身につける方法を解説した全15話・5時間23分の動画レッスンを受け取る
もくじ / Table Of Contents
ネイティブは母国語を説明できない!?
あなたは、母国語である日本語をどのくらい理解していますか?
[JLPT] 日本語能力試験の問題例:日本語能力試験JLPT 問題例に挑戦しよう
「日本語能力試験」は、日本語能力を測定する検定試験で、「日本語を母国語としない人」を対象としています。とはいえ、ネイティブだからといって、必ずしも満点を取れるとは限りません。
その理由は、日常的に成立する言語には、典型的な文法ルールに則らない場合が多々あるからです。滅多に使わない単語など、そもそも正確に覚えていない可能性もあります。つまり、「なんとなく」の言い回しが伝われば、コミュニケーションは可能なため、文法的な正しさなど都度考えません。
言語力の軸は、「意思疎通の成立可否」です。これに対し、語学試験の軸は「論理法則の正否」です。つまり、ネイティブは「なんとなく」は理解できても、理屈の説明、正解の即答を常にできるわけではありません。
また、テストにはそれぞれ特徴があり、満点をとるにはテクニックが必要です。
従って、言語ができることと、特定のテストで満点を取ることは、イコールにはなりません。
→楽しくスラスラ!話せる英語を身につける方法を解説した全15話・5時間23分の動画レッスンを受け取る
英語力とTOEICの間に潜む決定的ギャップとは
一般的に、TOEICとは、L&Rテスト(リスニング&リーディング)を意味します。聞いた理解、読んだ理解度を数値化します。つまり、理論チェックです。
しかし、ここには、「英語力」という意味で、決定的な落とし穴があります。
それは、「定着」は考慮されていないということです。
これは、料理や運転免許に置き換えてみると、イメージしやすいです。
例1:新しい料理を作れるようになりたい!と思ったとき、あなたの目標はどこですか?
<料理の場合>
・ステップ1:料理の完成形と味を知る
・ステップ2:レシピと作り方を調べる
・ステップ3:レシピに従って作ってみる
・ステップ4:繰り返し作って、好みや理想の味に整える
ステップを踏むことで、料理を自分のものにすることができます。何度レシピを確認しても、作れるようにはなりません。
例2:車を運転したい!と思った時、あなたの目標はどこですか?
<運転免許の場合>
・ステップ1:スクールに通って理論を学ぶ
・ステップ2:論理理解の試験に合格する
・ステップ3:免許書内運転、仮免後は路上運転で理論を実践する
・ステップ4:卒業試験を受け、運転免許を取得する
・ステップ5:免許証を携帯し、日常的に運転可能な状態を維持する
・ステップ6:車を所持し、日常的に運転する
技術の定着には、免許取得後、日常に取り込むことが肝要です。
英語におけるTOEIC試験は、上の例では、双方「ステップ2」の論理理解度を確認する段階にあります。
・料理の場合:レシピと作り方を調べる
・自動車運転の場合:論理理解の試験に合格する
さらに、運転免許は、TOEICの高得点スコアに置き換えると、より現実的です。共に有効期限があり、定期的に更新が必要だからです。
教科対策になりがちなTOEICスコアをいかに低下させず、英語力として「身につける」か。
そのためには、「インプット」を「浸透」させることが必要です。図の、左から右への推移です。
あまり意識したことはないかもしれませんが、英語は、教科ではなく言語です。知識として取り入れた「理論」の先にある「実践」を継続することで、英語力を定着させることができます。
→無料:楽しくスラスラ!話せる英語を身につける方法を解説した全15話・5時間23分の動画レッスンを受け取る
英語力を育てる3原則とは
上で見てきたように、TOEICは論理理解力を確認する手法の1つであり、言語力は定着により身につくものです。
ここでは、使える英語力を身につけるために効果的な3つの方法をご紹介します。
原則1:第三者から脱却しよう
TOEIC L&R対策のストーリーにおいて、あなたは常に第三者です。例題は、当事者の出来事であり、あなたの世界ではありません。
そして、テスト対策段階では、通常、文字通り話の展開を追います。そして、文字を比べて回答から正解を選択します。
このインプットを「英語力」に育てるには、ストーリーを「あなた自身のこと」に置き換えることが効果的です。
例えば、ビジネスシーンでランチを一緒にする会話文があったとします。そして、質問の1つは、その待ち合わせに関するものでした。この場合、キーワードは「待ち合わせ方法」、「時間」、「場所」などです。
・家族や友人と駅やレストランで待ち合わせて食事をする
・友人やビジネスパートナーとオンラインパーティーを開催する
・家族や友人のお祝いのためにグループで食事をする
まず、単語や友人名をあなたの日常に置き換えましょう。そして、読み上げます。その際、重点ポイントや感情表現には特に抑揚をつけるよう意識します。
当事者として発信することで、インプットで理解した内容を「自分のことを表現するスキル」に、ステップアップさせることができます。
原則2:ストーリーに感想を持とう
試験対策としてTOEICに取り組むと、英文は、単語や文字の羅列になりがちです。
しかし、言語は歌の歌詞のようなものです。歌は、音楽、リズム、情景描写などの要素が混ざり合って「感動」や「お気に入り」として心に刻まれます。
映画でも歌でも、あなたは常に傍観者です。にもかかわらず、好んで視聴するする人が多いのは何故でしょう?
それは、あなたが、そのストーリーに惹き込まれ、「感動」するからです。
例えば、あなたは次の文章からどんな感想を持ちますか?
例文:My home life? It couldn’t be better!
これは、私が語彙力強化の過程で出会った「couldn’t be better (最高ですね!)」という熟語の例文です。私はこの文から、「この人幸せだな〜」と、思いました。
直訳すると、「今の私生活?これ以上良くなり得ません」ですが、音声で聞くと、高揚感が出ていて、「新生活?超最高!」とカジュアルに印象付きます。
さらに、この熟語、文法的には、仮定を示すcould(canの過去形)、否定系(not)で示す強調、goodの比較系better、と、盛りだくさんです。
語られる文やストーリーに「感想」をもつことにより、あなたにとって印象的な表現として心に留めることができるようになります。
原則3:そのまま受け止める感覚を育てよう
知らない単語を目にすると、その場ですぐ調べる人は多いです。
ところが、現実では、自分のペースでストーリーを途中停止することはできません。わからない単語を気にしている間に、ストーリーは次々展開していきます。
ここで効果的なアプローチは、そのまま受け止めて読み飛ばすことです。
とはいえ、論文や学術書では、馴染みのない専門用語が使われることがあります。
まずは、わからない1単語に拘らず、ストーリーのテーマにフォーカスしましょう。同じことを言い換えた表現が繰り返されることで、読み飛ばした単語の意味を概念的に捉えることができる場合も多いです。
一方で、同じ単語が何度も繰り返される場合、その単語は、その文書のキーワードである可能性が高いです。
読み飛ばしても意味を捉えられないときは、辞書で意味を調べましょう。捉えた解釈を再確認するために辞書を使うことも効果的です。
わからない単語や聞き取れない単語は、一旦そのまま受け流してストーリーの概念から推測することで、コンセプトを包括的に捉えることができるようになります。
その結果、誤った文脈解釈に至る可能性を低めることができます。
→無料:楽しくスラスラ!話せる英語を身につける方法を解説した全15話・5時間23分の動画レッスンを受け取る
まとめ:英語力を伸ばし身につけるには
今回は、TOEICスコアが英語力に直結しない理由と、言語力を定着させるための3つの重要なポイントを解説してきました。
・第三者から脱却しよう
・ストーリーに感想を持とう
・そのまま受け止める感覚を育てよう
TOEICは英語知識の論理チェックであり、英語力は実践の継続により身につけることができる言語力です。
英語力を育てるには、語られるストーリーを概念的に捉え、感動することで自分に印象付けましょう。そして、さらに自分のストーリーとして発信しましょう。
繰り返しますが、英語は、教科ではなく言語です。知識として取り入れた「理論」の先にある「実践」を継続することで、使える英語力を身につけることができます。
ぜひ、今日から取り組んでみてくださいね。
→無料:楽しくスラスラ!話せる英語を身につける方法を解説した全15話・5時間23分の動画レッスンを受け取る
最後までお読みくださり、ありがとうございました。