耳にしていて「聞きやすい英語、聞きにくい英語、何が違うの!?」そう思いますよね。
英語の聞こえ方が人により異なるのは、主に母国語の影響と単語間の音の変化への慣れの度合いに起因します。
英語は、非ネイティブが75%を占める言語です。母国語の影響が英語に影響し、その発音はバラエティ豊かです。
不思議と、リスニングに慣れてくるとある程度どんな英語も理解できるようになります。これは、かなり日本語が拙くても、ネイティブである日本人はある程度言葉を補って理解できるのと似ています。
以降で、地域別の英語の特徴とそのリスニング対策法を解説します。
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もくじ / Table Of Contents
英語の種類:ネイティブと非ネイティブ、気候と発音の関連
英語の発音に関してものすごくざっくりいうと、暖かい国の音は長く、寒い国の音は短くなる傾向があります。
聞き取りやすさを向上させるには、あなたが触れる国の英語の特徴を捉えて慣れることが重要です。
例えば、スコットランド(英国北部)やニュージーランドなどの寒い地域では口を閉ざす傾向がアクセントの特徴の1つになっています。一方、オーストラリアやマレーシアなどの暖かい国は、音は伸ばすまたは文を跨いで音が繋がる傾向があります。
ところで、あなたの行きたい国、あなたが英語を話す相手の母国はどこですか?(※)
行ってみたい世界遺産国:ペルー、エジプト、カンボジア、フランス、中国、インド、トルコ、スペイン
旅行客の多い国:フランス、米国、中国、スペイン、イタリア、英国、トルコ、ドイツ、マレーシア、メキシコ
日本人が行く国:中国・韓国・米国・香港・ハワイ・タイ・台湾・グアム・フランス・ドイツ
日本に来る人の国:韓国・中国・台湾・米国・香港・オーストラリア・タイ・英国・シンガポール・カナダ
英語人口の多い国:米国、インド、パキスタン、フィリピン、ナイジェリア、イギリス、ドイツ、バングラディッシュ
(※)data source:A world of languages、国別英語話者数ランキング
あなたが思い浮かべた国はありましたか?ネイティブ、非ネイティブ、英語を話す国は地域も母国もさまざまです。
以降で、それぞれの英語の傾向を解説していきます。
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英語がネイティブの国:米国・英国・豪国・カナダ
「ネイティブの英語、速っ!」と感じること、多いですよね。
ネイティブの英語の聞き取りにくさは、速度と並んで単語と単語が繋がり音が変わることに起因します。
音が変わる特徴には以下の4つがあります。赤字が変化の該当箇所です。
例:check it out!
・リンキング:音が連結する [check it :チェック+イット → チェキッ]
・リエゾン:リンキングとほぼ同等。単語の切れ目がわからなくなること
・フラッピング:音が同化して濁る[it out:イット+アウト → イダゥッ]
・リダクション:脱落:音が消えて聞こえる[out:アウト → アウッ]
→ check it out!:チェックイットアウト! → チェキッダゥッ!
発音の特徴を捉えつつ、比較的聞きやすい発音の確認には、その国のニュースを聴いてみることをおすすめします。
以下、どの国の英語にどの傾向が強いのか、例をあげて説明します。
【アメリカ英語】リエゾンとフラッピングの特徴が強い
日本人に馴染みが多いアメリカ英語。ネイティブの国でいうとアメリカとカナダが該当と言ってよいでしょう。
音が変わる特徴でいうと、リエゾン(単語の音が繋がる)とフラッピング(音の同化)の傾向が強いです。
加えて「r」を籠るように発音する特徴があります。日本人の「巻き舌」傾向はここに連動します。
ニュースは、以下を参考にすると良いでしょう。
その他、アメリカは「メルティングポット」と言われる移住者の多い国です。
中南米のスペイン語圏の影響など、地域による発音の傾向もあり一括りにはできません。
とはいえ、語彙力や発音の特徴に慣れることで、英語の聴きやすさを大幅に改善することは可能です。
【イギリス英語】リエゾンとリダクションの特徴が強い
英国王室映画などでは、1単語毎クリアに発音することが多いブリティッシュイングリッシュ。
とはいえ、日本人にとっては、リエゾン(単語の音が繋がる)とリダクション(脱落)の傾向が印象的です。
加えて「l」はより明確に舌の位置を意識し「イ(i,ie,ee,ea)」はしっかり口を横に開いて発音する傾向があります。ロンドンを走る「Piccadilly line」は「ピ・カッ・ディ・リー・ライン」と聞こえます。
リダクションは、どちらかというと、子音で終わる単語の末尾が日本人の耳に馴染みがないために、短い子音の発音が、脱落しているように聞こえがちと理解するとわかりやすいです。
ニュースは、以下を参考にすると良いでしょう。
・イギリスのニュースラジオ局:BBC Radio
アクセント部に着目し、息を抜きながら軽く発音される単語末尾の子音に慣れることで、英語の聴きやすさを改善することができます。
【オーストラリア英語】音を伸ばして単語が変わる傾向あり
オーストラリアにはヨーロッパからの移住者が多く、英語の特徴もブリティッシュイングリッシュに近いです。
とはいえ、オーストラリアは暖かい国です。音を伸ばして短縮する特徴があり「vegetable(野菜)」を「veggie(ヴェジー)」、「lip-cream」を「lip-pie(リッピー)」などと略します。
また、「a(エイ)」を「アイ」と縦に発音する傾向があります。伴い、挨拶は「Good day, mate!(グッダイマイッ!)」という気さくな表現が特徴的です。
ニュースは、以下を参考にすると良いでしょう。
・オーストラリアのニュースラジオ局:ABC Local Radio
なお、オーストラリア人は「オージー」であり、オーストラリア英語は「オージーイングリッシュ」となります。
ネイティブイングリッシュまとめ:音の変化に慣れよう
まずはネイティブの英語を解説してきました。
ネイティブの英語を聞き取るには「音の変化」への対応が必須です。
まずは順を追って聞き取りに慣れましょう。
段階を踏んでリスニング力をアップする方法については、ぜひ、こちらの記事をご覧ください。
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非ネイティブの英語:欧州・アフリカ・アジア・中東
あなたが英語で会話をする相手の母国語、知っていますか?
ちなみに、世界で話す人数が多い言語は、上位からマンダリン(中国)、スペイン語、英語、ヒンディ語(インド)、アラビア語、ポルトガル語、となっています。
英語で人と話すときは、相手の母国語の特徴を意識することをおすすめします。
その理由は、非ネイティブの英語には母国語の発音の特徴が混在することが多いからです。
もちろん、流暢に英語を話す人の中には、発音矯正などにより母国語を意識しなくても聞き取れる場合もあります。
とはいえ、非ネイティブの母国語のカラーを掴んで適応することで、聞き取りやすさは格段に改善します。絵を描くときにさまざまな色を使うように、英語という枠の中で少しだけトーンをチューニングするイメージです。
以下で、それぞれの母国語に依存する英語の特徴を解説します。
【欧州・アフリカ】フレンチイングリッシュ:「h」を補う
「わかるはずの単語、なぜか聞き取れない!」と思うこと、あるかもしれません。
フランスやフィンランドなど北欧圏の言語の中には「h」を発音しない傾向が出ることがあります。「hour」が「アワー」と読むイメージです。つまり「Hilton hotel」は「イルトン・オテル」となります。
例)フランスのニュースラジオ局:France 24 livestream > International News TV Channel 24/7
フランス語は、欧州・アフリカで多く使用されており、話す国数は50カ国を超えます。
大体わかるのに、なぜかふとわからない単語が。。と感じたときは、頭に「h」を補ってみると腑に落ちることが多いです。
【欧州】イタリア・ドイツ:比較的カタカナに近い
イタリア語やドイツ語は、日本人にとって比較的カタカナ読みが通用する言語です。
英語における特徴はありますが、日本語と母国語の発音が近いために、イタリア語やドイツ語を母国語とする人々の英語はわかりやすいと感じる傾向が強いです。
例)ヨーロッパのニュースラジオ局:euronews > radio
例)ドイツの英語ニュースラジオ局:DW’s TV live stream online
とはいえ、ヨーロッパは日本と異なりさまざまな国があちこち隣り合っています。首都と地方、他の国との国境近くなど地域性でも発音の特徴は異なります。
【中東】アラビックイングリッシュ:下顎に音が籠る
アラビア語は、北アフリカ・中東をメインに使用されています。話す国数は英語の次に多く、60カ国を超えます。
アラビア語の発音には、下顎に空気を含めたたり喉を使う音が特徴的です。また、アラビア語には「p」の音はなく「b」で発音される傾向が強いです。アラビア語の「apple」は「アブル」に聞こえるようなイメージです。
例)アラビア語のニュースラジオ局:SBS Arabic24
また、インドなどのアジアに近い影響か、「r」はヒンディに特徴的な巻き舌的発音に近く聞こえる場合もあります。
【東アジア】マンダリンイングリッシュ:上顎に空気が通る
母音のバラエティの多さで有名な中国語、中でも「ア」のバラエティの多さは日本人が真似できないといいます。
英語の特徴としては、中東の英語とは逆に、口の上の方に空気が溜まっているような発音に聞こえます。
例)中国の英語ニュースラジオ局:CGTN > Live TV
中国語を話す人数は多く来日者も多いです。また、香港、韓国、台湾など近隣の国の英語も傾向は類似します。
【南アジア】ヒングリッシュ:高いピッチでリンキングが強い
英語人口でいうとダントツで多いインド・パキスタン。日本人にとっては聞き取りにくい英語の部類になりがちです。
これは、単語に加えて文も跨ぐリンキングが強いこと、日本語と比べてピッチが高いことに因る部分が多いです。
加えて、どこにあっても「r」を「ル」と発音する音の特徴があります。つまり「work」は「ヴォルク」に、「brother」は「ブロダル」と聞こえます。
例)インドのニュースラジオ局:PBNS India Radio > Live TV
ヒンディ語の特徴は他にも多々ありますが、音の基本トーンを高めに意識することで聞きやすくなる部分も多いです。
【東南アジア】シングリッシュ:リンキングは強いが流暢
シンガポールやフィリピンの英語は非常に流暢で、約8割がバイリンガルスピーカーです。
ヒングリッシュと類似し、単語に加えて文も跨ぐリンキングの傾向はあります。
とはいえ、発音はアメリカ英語に近く、日本人にとっては「速い」という印象の方が強いです。
例)シンガポールのニュースラジオ:CNA938
リンキングを意識し、文の切れ目に着目することで聞きやすくなる部分は多いです。
【東南アジア】タイ・マレーシア:音が丸く柔らかい
親日で有名な東南アジアの国々、人々は穏やかで口調は優しいです。
英語にもその特性は色濃く出ており、音が優しく発音はゆっくりめな傾向があります。
例)マレー語のニュースラジオ:BERNAMA Radio > Live TV
日本人にとっては、比較的聞き取りやすい英語と言って良いでしょう。
【多言語】スペイン南部・モロッコ:言語を跨いで意思疎通!
スペイン南部やモロッコは多数の言語を使いこなす人々が少なくありません。
これは、観光客が多い、人々の行き来が多いなどの理由に起因します。
モロッコは特に印象的で、公用語はアラビア語、案内などはフランス語が併記されます。
とはいえ、言語が堪能で、フランス語で尋ねてアラビア語で答えるなどの会話が成立します。
英語そのものの特徴とは異なりますが、複数言語を跨いでの会話が成立するという興味深い1例として紹介します。
非ネイティブイングリッシュまとめ:トーンに寄り添おう
次いで、非ネイティブの英語の特徴を解説してきました。
非ネイティブの英語を聞き取るには「母国語による英語のトーンの変化」を意識することをおすすめします。
加えて、知っている英語に近づける意識的なチューニングにより、聞きやすさを格段に向上させることができます。
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まとめ:聞き取りにくい/やすい英語とその対策法とは
これまで、英語の聞き取りにくさ、聞き取りやすさを音の変化と母国語の影響の観点から見てきました。
ネイティブ英語:
・アメリカンイングリッシュ:音の連続と同化の傾向が強く「r」の巻き舌が特徴的
・ブリティッシュイングリッシュ:音の連続と脱落の傾向が強く「l」と「i」の発音が特徴的
・オージーイングリッシュ:イギリス英語に近いが、音を伸ばして略す表現が特徴的
非ネイティブ英語:
・フレンチイングリッシュ:部分的に極端にわからない時は「h」を補ってみよう
・アラビックイングリッシュ:下顎に音が溜まるイメージで捉えよう
・マンダリンイングリッシュ:上顎に音が溜まるイメージで捉えよう
・ヒングリッシュ:「r」はいつでも「ル」、高いピッチのリンキングを意識しよう
・シングリッシュ:ピッチは高くないがリンキングは強い、文の切れ目を意識しょう
・英語に依存せず言語を跨いで意思疎通できる場合もある(スペイン南部やモロッコなど)
・日本語との発音類似性から聴きやすいと感じる英語もある(ドイツやベトナムなど)
英語のネイティブ率は25%です。また、物理的な距離から、日本人は非ネイティブと話す確率の方が格段に高いです。
リスニング能力は、基本的に費やす時間に比例して上達します。
とはいえ、相手の話す英語の特徴を理解することで、意識的に聞き取りやすさを改善ことはできます。
ぜひ今日から意識してみて下さい。
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最後までお読みいただきありがとうございました。