これ、言っていいのかなぁ。。。悩むこと、あると思います。
日本は「空気を読む」「行間を読む」といったノンバーバルの意思伝達が普通の国です。
とはいえ「発言するかどうか」「伝えるかどうか」というコミュニケーションにはさまざまな指標があり、内容によっても国によりその伝達度や方法は異なります。
例えば会話中の電話、あなたは出ますか?出るとして、誰からの電話であれば出ますか?
外出先での電話そのものの出る出ない・マナーモードにする・電話のときに席を外す、などさまざまな行動があり得ます。
この記事では、コミュニケーションの基準になる指標や国特性の行動パターンを具体的に解説します。
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もくじ / Table Of Contents
見解の相違を示す!?ビジネスにおける意見集約への考え方
ビジネスでもプライベートでも、誰かと意見が食い違うことありますよね。
あなたはそんなとき、言いますか?抑えますか?どんな状況なら伝えますか?
この「どう伝えるか」または「そもそも言う!?」という見解相違への対応、実は国の傾向があります。
Confrontational vs Avoid Confrontation(見解相違への対応):(※)
・対立:イスラエル、フランス、ドイツ、ロシア、オランダ、スペイン、デンマーク
・中間:イタリア、アメリカ、ブラジル、イギリス、スウェーデン
・回避:フィリピン、日本、サウジアラビア、韓国、インド、メキシコ、スウェーデン
(※)The Culture Map by Erin Meyer
ものすごくざっくりいうと、傾向的にはヨーロッパの国々は見解をはっきり言う傾向があり、アジアよりになると見解の相違を口に出さない傾向があるように見て取れます。
見解の相違への対応とは「意見が違ったときに互いの意見を交換するか」と捉えるとわかりやすいです。
日本語では「対立する/対立を回避する」と訳されますが、別に対立を好んでいるわけではなく、対立しているという意識がないだけです。対立ではなく「意見交換」です。
そしてここで気にかけるべきは、この見解相違の対象は「事象」であることです。決して人の性格など個人に向けられるものではありません。
例えば対立回避傾向の強い日本人は、ビジネスで作った資料に意見を述べられる「真っ向から否定された」と感じてしまうかもしれません。しかし、相手からすれば意見を述べただけです。否定ではなく意見交換なので、質問に対して純粋に「あなたはこう考えたので」と説明すれば済む話です。
逆に、日本人は誰かのアイディアに何か思うところがあっても「まぁいいと思う」と何もいわなかったとします。この場合、見解相違の意見交換が普通の国の人々には「この人話を真剣に聞いているのだろうか・・」と不安を与えたり誤解につながったりします。
このような感覚の違いが、ミスコミュニケーションをうんでしまうことになり得ます。
意見交換は、否定や反論とは根本的に概念が異なります。
対等な立場で「ブレストする」「ディスカッションする」というようなイメージで「私はこう思う」を述べているだけと捉えることで、見解の相違を超えた意見集約が可能になります。
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感情をなくしたい!?コントロールと豊かな表現への捉え方
感情をコントロールできたらいいのに。。そう思う人は多いです。
特にビジネスの場面では「感情を表に出さない」ことが重視され、感情をコントロールできないことは子供っぽいとさえ思われがちです。
とはいえこの感情表現、話をするときの表情やジェスチャーなどに現れる国の傾向があります。
Emotionally Expressive (感情のわかりやすさ):(※)
・表現する:インド、イタリア、スペイン、ロシア、イスラエル、ブラジル、フランス
・中間:メキシコ、サウジアラビア、フィリピン、アメリカ、イギリス、オランダ
・表現しない:日本、韓国、デンマーク、スウェーデン、ドイツ
(※)How to disagree with people from 20 different countries
日本はそもそも世界基準に照らし合わせると、最も感情表現が低い部類になっています。
むしろ、それをさらにコントロールしたり表に出さないよう意識することは、グローバルコミュニケーションにおいては「何を考えているかわからない人種」になりかねません。
とはいえ、ここで注目することは、感情を表現することとと意見を明確に言及することはイコールではないという点です。
つまり、感情を表に出さずに意見を明確に言及する傾向が強い国もあれば、感情は見えやすいけれども意見交換は控えめな国もあります。
この感情表現(Emotionally Expressiveness)と前述の見解相違(Confrontation)の傾向を掛け合わせてみましょう。
日本は右下、意見の発言を控え感情が表に出にくい典型です。何を考えているかわからないとなりがちです。
一方、左側に位置する多くのヨーロッパの国々の人の意見は、日本人には「責められている」ように感じるかもしれません。
また、右上に位置する、感情表現は豊かだけれども意見は控える傾向があるサウジアラビアやインドの人々は、明るく陽気には見えますが、批判や指摘には非常に繊細であることを理解し、コミュニケーションを配慮することが大切です。
表情と表現は国の文化性で複雑に絡み合っています。文化性の違いや日本の特性を理解することで、英語で他国の人々と関わる際に日本人が心がけるべき言及や感情の効果的なアプローチを意識することができます。
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フィードバック効果!?ポジティブ・ネガティブ発言の回路
よくないこと、ビジネスでもプライベートでもあなたはどう伝えますか?
ビジネスや成績におけるフィードバック、言う方も受け取る方も非常に繊細なテーマです。
特に日本は、ネガティブなことを言葉にすることを非常に嫌い避けます。
そして、その傾向も国により異なります。
国の位置付けで言うと「見解を明確に発言するか」と「ネガティブなフィードバックをダイレクトに伝えるか」はほぼ類似します。
しかし、位置付けで表現は大きく変わります。日本は最もネガティブなフィードバックを避ける国ですが、ネガティブなフィードバックを避ける国はたくさんあります。
日本より直接表現をする国だからと、そのまま表現することが適した意思伝達になるとは限りません。
大まかに言って、ヨーロッパの国は直接表現、英語圏の国々は条件付き的な表現、そしてアジアの国は暗黙に読み取る必要があるほどネガティブ表現を避ける傾向があるといえます。
例えば「We can try that(そうですね)」という表現、ヨーロッパの国ではそのまま「承認」と解釈され、英語圏では言葉を補って「やってみたいならどうぞ」という意味を「can」に含んでいます。そして、多くのアジアの国では、好意的・積極的な表現がないことが否定(negative)であるとの解釈になることもあります。ネガティブ表現に関して直接的な順に国別の大まかな傾向は以下のようになります。
国によるフィードバックの特徴:(※)
・ドイツ:基本的に直接表現でネガティブを表現し、基本的にポジティブ表現は極端に少ない
・フランス:通常会話はソフトだが、ネガティブフィードバックに関してはかなり直接的
・オーストラリア:英語を母国語とする国の中では最も直接表現を好む
・アメリカ:日常的にポジティブ表現が多く、ネガティブフィードバックは控えめに文書で表現
・イギリス:ネガティブな表現を避け「possibly」などと可能性の低さでネガティブを示す
・中国:ネガティブ表現を避ける傾向はあるものの、部下に対してはかなり直接的
・ガーナ:直接表現を避ける傾向が強く、ネガティブフィードバックは人づてに伝わる傾向も
・日本:極端にネガティブ表現を避け「暗黙の了解」的に伝える傾向がある
(※)Here Are The Wildly Different Ways People Give Feedback Around The World
ネガティブ表現に関して直接伝える傾向に関する大まかな国の特徴は以下のようになります。
英語を母国語とする国でオーストラリアですが、オーストラリアにはヨーロッパから移住している人々が非常に多い国です。最もヨーロッパに近い傾向であることは非常にわかりやすく納得できます。
また、ガーナなどアフリカの国やアジアの国は歴史的に植民地配下であったことから、直接表現やネガティブ表現を避ける傾向が強い可能性もあります。
日本人にとって言いづらい否定や断りの表現、どのように伝えるのがその国の人々に「正しく伝わる」表現なのかを理解することで、コミュニケーションにおける言葉の選択を意識的に変えることができるようになります。
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言語化できない!?ハイコンテクストとローコンテクスト
コンテクストってなに!?思いますよね。
コンテクストとは「言葉への含み」と読み解くと日本人には理解しやすいです。
日本は島国で単一言語国、歴史的に独自文化性も強く考え方や価値観が非常に近い人々が集まっています。
伴い「語らずに察せる文化」つまり「ハイコンテクスト文化」が浸透し、日本人間や家族・友人間で表現が曖昧でも伝わることは多いです。むしろ「言わなくてもわかってよ」という想いすら比較的強いほどです。
しかし、アメリカやカナダは、「メルティングポット(人種のるつぼ)」や「サラダボウル」と表現される、多人種環境の国です。共通の価値観が少ないことが常識であることから、言語表現内容が価値を持つ、「ローコンテクスト文化」が定着しています。
つまり、国によるコンテクスト性を意識することで、英語表現における言葉選びは格段に変わってきます。
コンテクスト性は、人々のバックグラウンドの共通認識度が大きく影響します。従って、移民やさまざまな人種の人々が共存する英語圏の国は「ハイコンテクスト」である傾向が強いです。
例えば道案内の英語表現、必ず学びますよね。
道案内表現の例:
・英語:Go straight and turn light at the second corner, and then the post office will be just on your left side.
・日本:そこ真っ直ぐ行って、2つ目の信号右に曲がると左手に郵便局が見えてきますよ
・とある国:とりあえずこの道真っ直ぐの方向だよ
確かに、汎用的で誰にでも共通する距離や数の概念の言葉でそこに曖昧さはありません。
しかし、英語の「2つ目の角」や「300mくらい進むと」というような英語表現、どれくらいかなんて正確に道覚えてないなぁと、個人的にはずっと思っていました。
一方日本では、日本では目に見える信号機の数や「コンビニが右手に見えた角で」など建物の目印を示したります。これは、目印となる建物への共通認識がないと成立しない伝達です。
また「差し当たり今はこっちだよ」と今どう動けば正しいかを教えてくれる国もあります。つまり「行った先でまた聞いてね」という意味です。これも、ある意味ハイコンテクストな表現です。
ハイコンテクストの国々では説明を「言葉にできない」ように感じることが度々起こり得ます。
しかし、コンテクスト性への配慮は、スムーズなコミュニケーションを左右する非常に重要な指標です。
そして、アメリカやカナダの国はこれまで解説してきた「見解相違への表現」や「ネガティブフィードバック」の姿勢と、コンテクスト性の国の傾向はかなり異なります。
コンテクスト性を意識して意思疎通を図ることで、誤解の混入を大幅に低減することができます。
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マナーモードは解除!?電話への考え方に見る国の文化性
電話のマナー、気になりますよね。
そして日本では至る所で電話のマナーに対する案内がなされます。
電車やバス、映画館や博物館などマナーモードや電源オフを至るところで推奨しています。
ちなみに「通話はお控えください」は非常に日本語らしい「ネガティブフィードバックを避ける表現」です。
とはいえ電話に対するマナー、実は国によって大きく異なります。
電話に対する国の特徴を理解することで、電話マナーに対する認識や印象を絶対的に改めることができます。
電話に対する国別の常識:(※)
・アメリカ:公の場の電話はするがレストランや教会・夜遅い時間の電話は避ける文化
・イギリス:対面の話を優先する文化。しかし電話の時は電話に集中、ながら電話を失礼とする
・日本:礼儀や世間体を重んじ公の場での電話を避ける文化。留守電よりテキスト伝達の傾向が強い
・フランス:公の場で大声で電話することを失礼とする文化。移動中やレストランでの通話は避ける
・エジプト:電話で本題に入る前の前置きを重視する文化。唐突に本題を話し始めることを失礼とする
・スペイン:公の場で電話することに頓着しない文化。レストランやコンサート中でも電話を優先
・イタリア:公の場で電話することに頓着しない文化。重要なミーティング中なのでも電話を優先
・ブラジル:電話に出ないことを失礼とする文化。ミーティング中や映画途中なども断って電話を優先
・タイ:電話に出ないことを無礼とする文化。電話に出るまで何度でもかけ続ける傾向もある
・中国:対談の間でも電話に出ることを厭わない文化。電話を受けられなかったら出るまでかけ直す
・インド:図書館や映画館、真夜中でも電話することを厭わない文化。電話に失礼とするルールはない
(※)MOBILE MANNERS AROUND THE WORLD
日本人の感覚からするとイメージしづらいかもしれませんが、電話を対面より優先する国は結構あります。
私自身、インドやエジプトの人々が授業中や対面で話をしている間にほぼお構いなしに電話を受けて話し始めることに戸惑った経験があります。どうなってるんだ、、、と思ったりもしました。
しかし「電話がかかってきたときに受け答えないことが無礼になる」という概念が存在することを知り、彼らの行動が普通のことなのだと理解することができるようになりました。
電話は「無礼な・失礼な」というマイナス印象への意識に直結する文化性です。
国による電話マナーを理解することで、あなたの「失礼」への意識を改め他国の文化性を尊重することができるようになります。
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まとめ:英語で話す際に意識すべき異文化理解の常識とは
これまで「どれくらい明確に伝えることが適切か」に関する国による文化性の特徴を解説してきました。
・見解相違の示し方:ヨーロッパの国々は見解をはっきり言い、アジア圏は口に出さない傾向
・感情表現のわかりやすさ:感情表現と見解相違のわかりやすさは国により異なる
・フィードバックの捉え方:ヨーロッパの国は直接、英語圏は条件付き、アジア圏暗黙に読み取る傾向
・コンテクスト性への依存:共通の価値観が少なく移民の多い国はローコンテクスト文化が定着
・電話に対する優先度:公の場での通話への価値観、対面と電話の優先付けの意識は国により異なる
・日本は見解相違・感情表現・ネガティブフィードバック全て控えめながらハイコンテクスト性は高い
他国と比較してみると、日本の文化は何かと極端に「何かとわかりにくい」文化特性傾向が強いです。
英語を話すときには、世界標準の意識を高くもち接することで、コミュニケーションにおけるスムーズ度は格段に変わってきます。
ぜひ、世界標準基準に寄せる異文化コミュニケーションへの意識改革、今日から初めてみてください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。