名前が伝えられない。電話で困ること、ありますよね。
特に、国や地域で特徴のある氏名や地名の伝達では、「表記文字(アルファベットの綴り)をどう伝えるか」が重要になってきます。
日本語の場合、漢字を伝えて読み方を理解してもらうことがありますが、英語の場合、それはスペル(アルファベットの綴り)を伝えることになります。
名称や名前を正確に伝えるにはコツがあります。スペルの伝え方を意識することで、名前の表記ミスや記憶違いは格段に改善できます。また、別の方法でスムーズな意思伝達を補佐することも可能です。
この記事では、スペル伝達のコツと、関連ポイント5選を解説します。
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もくじ / Table Of Contents
英語の名前伝達はなぜ難しい!?電話予約を想定してみよう
英語の電話への苦手意識、ありますよね。
いうまでもなく、電話の目的はとことん「質疑応答」です。
そして、電話の場合、「記す文字を伝える」という独特な受け答えがあります。
「お名前の漢字を教えてください」という、アレです。
英語では「スペルを教えてください(How do you spell it?)」という、アレです。
聞き取り間違いがちな名前は多いです。マツダさんとマチダさん、ササキさんとスザキさん、異なる名前に解釈されることも多いでしょう。
日本語の場合、例えば、「町田」さんの漢字は、町内会の「町(マチ)」に、田んぼの「田(タ)」と答えるでしょう。
英語も同じです。基本は、フォネティクスコード、つまり、シンプルな単語を使って先頭文字を伝えます。例えば、「appleの’a’」のような表現です。
英語でアルファベットの綴りを正しく伝えることにより、英語応答への戸惑いや苦手意識は大幅に軽減できます。
以降で、フォネティクスコードの例と活用におけるポイントを説明します。
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名前や固有名詞を口頭でどう伝える!?アルファベットの表現
「ご予約さまのお名前をいただけますか?」どこにでも伴う、名前の伝達。
メールやネット予約であれば不要の問答です。
しかし、電話など口頭では、名称を表記する綴りを正しく伝える必要があります。
アルファベットの綴りを伝えるには、フォネティックコードの活用が効果的です。
言語が異なる場合、聞き取りに加えて「音への耳馴染み」がプラスされ、固有名詞など地域や国独特の名称はさらに伝わりにくくなるからです。
フォネティックコードとは、アルファベットを伝えるために、そのアルファベットを頭文字にある単語を使って表現することを示します。単語とアルファベットは「for」で繋ぎます。
<フォネティックコード表現の例>
・a:appleの’a’ → ‘a’ for apple
ここで使う単語(下線部の単語)の選択肢を大きく2種のカテゴリに分けてみましょう。
・カジュアル(日常):典型的でシンプルな単語で表現する
・フォーマル(ビジネス):国名や地名で表現する
以降で、それぞれの具体例を紹介します。
【カジュアル】フォニックスが活きる!シンプルな単語表現
とにかく綴りを正確に伝えたい。そんな時は典型的な単語を使いましょう。
日本語で言うと、カタカナでもそのままわかるような短い単語のイメージです。
そして、1文字ずつ、単語に例えて説明します。例えば、戸田さんは以下のようになります。
<フォネティックコードでの苗字伝達の例>
戸田(toda)さん:’t’ for table, ’o’ for orange, ’d’ for desk, and ‘a‘ for apple
以下に、典型的な単語の例を示します。
一部、「a(「エー」ではなく「エイ」)」などのように、通常のカタカナ表記と異なる表記を下線で示します。また、「z」は、「ゼット」ではなく、「ズィー」です。
これは、発音が効果的に伝わる読み方です。意識的に発音することをおすすめします。
・A(エイ):apple(アップル:りんご)、ant(アント:蟻)
・B(ビー):ball(ボール)、bag(バッグ)
・C(スィー):cat(キャット:猫)、carrot(キャロット:にんじん)
・D(ディー):dog(ドッグ:犬)、doll(ドール:人形)
・E(イー):egg(エッグ:卵)、elephant(エレファント:象)
・F(エフ):fish(フィッシュ:魚)、fox(フォックス:キツネ)
・G(ジー):grape(グレイプ:ぶどう)、green(グリーン:緑)
・H(エイチ):house(ハウス:家)、horse(ホース:馬)
・I(アイ):ice cream(アイスクリーム)、internet(インターネット)
・J (ジェイ):juice(ジュース)、jellyfish(ジェリフィッシュ:クラゲ)
・K(ケイ):kangaroo(カンガルー)、king(キング:王)
・L(エル):lion(ライオン)、leaf(リーフ:葉)
・M(エム):monkey(モンキー:猿)、mouse(マウス:ネズミ)
・N(エヌ):nose(ノウズ:鼻)、night(ナイト:夜)
・O(オゥ):orange(オレンジ)、octopus(オクトパス:タコ)
・P(ピー):penguin(ペングイン:ペンギン)、pig(ピッグ:ブタ)
・Q(キュー):queen(クイーン:王女)、question(クエッション:質問)
・R(アール):rabbit(ラビット:うさぎ)、robot(ロボット)
・S(エス):star(スター:星)、shoes(シューズ:靴)
・T(ティー):table(テイブル:机)、tiger(タイガー:トラ)
・U(ユー):umbrella(アンブレッラ:傘)、unicorn(ユニコーン)
・V(ブイ):violin(ヴァイオリン)、vegetables(ヴェジタブル:野菜)
・W(ダブリュー):watch(ウォッチ:時計)、whale(ウェイル:クジラ)
・X(エックス):xylophone(ザロフォン:木琴)、box(ボックス:箱)
・Y(ワイ):yellow(イエロゥ:黄色)、yogurt(ヨーグルト)
・Z(ズィー):zebra(ジーブラ:シマウマ)、zoo(ズー:動物園)
動物や食べ物など、身近な単語が多いことがわかります。
また、「x」のように、冒頭から始まる文字が非常に難しい場合は、末尾に使う単語で表現する場合もあります。日本語の「ん」のようなイメージです。
このように、スペルは、誰もが理解できるようなシンプルな単語で伝えることが可能です。
【フォーマル】フォニックスを知的に!ビジネス向け単語表現
とはいえ、カッコよく伝えたい。職場などではそう思いますよね。
ビジネスなどスマートに伝えたい場面では、国名や地名を用いることが多いです。
ただし、日本語で覚えているカタカナの名称は、英語名ではない場合がありますので注意が必要です。例えば、「ドイツ」は英語で「Germany(ジャーマニー)」です。
以下に、具体的な名称例を示します。
・A(エイ):Argentina(アルジェンティーナ:アルゼンチン)、Algeria(アルジェリア)
・B(ビー):Brazil(ブラジル)、Belgium(ベルジウム:ベルギー)
・C(スィー):China(チャイナ:中国)、Canada(キャナダ:カナダ)
・D(ディー):Denmark(デンマーク)、Dutch(ダッチ:オランダ人・オランダ語)
・E(イー):England(イングランド)、Egypt(イージプト:エジプト)
・F(エフ):France(フランス)、Finland(フィンランド)
・G(ジー):Germany(ジャーマニー:ドイツ)、Greece(グリース:ギリシャ)
・H(エイチ):Hong Kong(ホンコン:香港)、Holland(ホーランド:オランダ)
・I(アイ):Italy(イタリー:イタリア)、India(インディア:インド)
・J (ジェイ):Japan(ジャパン:日本)
・K(ケイ):Korea(コリア:韓国)
・L(エル):London(ロンドン)、Luxembourg(ルクセンブルグ)
・M(エム):Mexico(メヒコ:メキシコ)、Malaysia(マレイジア:マレーシア)
・N(エヌ):New York(ニューヨーク)、New Zealand(ニュージーランド)
・O(オゥ):Oakland(オークランド市)、Oregon(オレゴン州)
・P(ピー):Paris(パリス:パリ)、Poland(ポーランド)
・Q(キュー):Queensland(クウィンズランド:クイーンズランド)
・R(アール):Roma(ロウム:ローマ)、Russia(ロシア)
・S(エス):Switzerland(スウィッツランド:スイス)、Singapore(シンガポー:シンガポール)
・T(ティー):Tokyo(トウキョウ:東京)、Turkey(ターキー:トルコ)
・U(ユー):United States(ユナイテットステイツ:アメリカ)、Union(ユニオン:連合)
・V(ブイ):Vietnam(ヴィエットナム:ベトナム)、Victoria(ビクトリア)
・W(ダブリュー):Washington(ワシントン)、World(ワールド:世界)
・X(エックス): Xian(シーアン:西安)、X-ray(エックスレイ:X線)
・Y(ワイ):Yokohama(ヨコハマ)、York(ヨーク:ヨークシャ州)
・Z(ズィー):Zambia(ザンビア)、Zaire(ザイーァ:ザイール)
参考までに、スペルと音が異なる国名はできるだけ挙げていません。例えば、スペルは「a」ですが、音は「オー」と発音する、Australia(オーストラリア:ɔːstréɪljə/ ɔ:ˈstreɪljʌ)やAustria(オーストリア:ˈɔːstriə/ ˈɒs.tɹi.ə)などがあります。
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英語の電話をかける時の正しく伝えるポイント5選
これまで、アルファベットを単語(フォネティクスコード)で伝える表現を紹介してきました。
名前の伝達には、ちょっとした工夫でさらに効果的なコミュニケーションが可能になります。
ここでは、使用時の注意点を含む、厳選5ポイントを紹介します。
アクセントの位置に注意!英語として発音しやすく
英語を話す人が呼ぶあなたの名前「あれ、なんか違う」と思うこと、ありますよね。
英語で名前を発音する場合、アクセントは「真ん中」に来ることが多いです。あなた自身の名前を伝えるときにも、アクセントの位置を意識することをおすすめします。アクセントは、3音であれば2番目、4音であれば3番目です。
<音とアクセントの位置の例>
・マツダさん(3音):マーツゥダァ(Ma, Tsu, Da)
・ヤマシタさん(4音):ヤマシィータァ(Ya, Ma, Shi, Ta)
英語の場合、子音の後ろにくる母音は丁寧に発音されることが多いです。
これは、日本語で先頭にアクセントがくる「アキコ(Akiko)」さんの発音は、中の「キ」の音が母音を伴わない音に聞こえることを意味します。英語ベースでは「achko(アッコ)」のような表記が近いです。
つまり「Akiko」を読むとき、「Akiko(アーキィコゥ)」と、真ん中の「i」が強調され、「ア、キ、コ」の3音全てををクリアに発音する意識が働きます。
これを、逆に利用した例として、「MAZDA」があります。
車の「Matsuda」は、ブランドとしては「MAZDA」とスペルを変えています。この工夫によりアクセントの位置は変わり、「Matsuda」(マツゥダ)から「Mazda」(マーズダ)と、ブランド名は耳馴染み良く響きます。
母音へのアクセントを考慮することで、あなたの名前は格段に伝わりやすくなります。
フォネティクスコードは効果的に!紛らわしい音にフォーカス
「xから始まる単語、少なっ!」あなたはそう思ったかもしれません。
スペルを伝えるとき、全ての綴りフォネティクスコードを使うことは必ずしも必要ではありません。
音がはっきりしている「x(エックス)」や「w(ダブリュゥ)」は、そのままでほぼ通じるからです。
フォネティクスコードは、区別したいところにフォーカスをあてた活用をおすすめします。
上であげたマチダさんとマツダさんの、ツ(tsu)とチ(chi)や、アルファベットそのものとして音が伝わりにくいマ(M)とナ(N)の区別などです。
一般敵に「x」や「y」から始まる単語は少ないですが、「xはエックスです(x is just x)」で通じることも多いのでご安心ください。
例える単語に配慮を!個人の好みが左右する名称は使わない
「例えに使う単語、なんでも良いの??」そういう不安、ありますよね。
スペルを1文字ずつ単語に例える目的は、「綴りを正確に伝えること」です。
従って、基本的にはどのような単語を例にしても問題はありません。
ただし、スポーツチーム名やアイドル名など、個人で好みが左右する名称を使うことは避けた方が無難です。可能性として、無意識に相手の反感や拒絶反応を刺激してしまう場合があるからです。
なお、フォネティクスコードであげた単語はあくまで例であり、カジュアルとフォーマルの双方は混在しても全く問題ありません。
更に、親近感を示すには、共通認識のある会社用語やグループ用語を用いることも効果的です。
例えば、Appleコンピュータのサポートセンターに電話した場合、「M for Mac!」は歓迎されますが、「W for windows」は、別の単語に変えた方が無難です。
フォネティクスコードを効果的に活用することで、スムーズにスペルを伝えることができます。
どうしても伝えられない場合のヘルプ!文字伝達への依頼
電話の伝達に限界や挫折を感じること、あるかもしれません。
また、URLの伝達など、そもそも口頭で伝える情報には限界があります
口頭の伝達が厳しい場合は、インターネットやメールなど別の方法の連絡手段を提案しましょう。
英語では以下のような表現になります。
・Let me ask you through your website.:ネットから問い合わせます。(ホームページ)
・Could you give it to me by e-mail?:メールでもらえますか?(Eメール)
・Could you text me?:メッセもらえる?(ショートメール)
日本人は、記載文字の解読と比較し、リスニングが苦手な傾向があります。
電話のコミュニケーションは、リスニングと質疑応答の連続です。さらに、ジェスチャーや「ここ」「これ」などの指示語は通じません。
そんな時は、無理に電話を続けても互いにストレスを抱えてしまいますので、メールやウェブサイトなどを効果的に活用することをおすすめします。
あだ名をつけよう!呼び名に効果的なニックネームの活用
名前が伝わらないって、コミュニケーションにおいて致命的ですよね。
あなたの名前を英語に馴染んだ音にするには、「あだ名(ニックネーム)」を効果的に使うこともおすすめです。ニックネームをつけることで、あなたに呼びかけやすくなります。
「名前はマサルです。マサと読んでください」という、アレです。
英語では、「I am Masaru. Feel free to call me Masa!」となります。
実際、英語でも「Catherine(キャサリン)」さんが「Cathy(キャシー)」になるなど、呼びかけの際に長い名前を短くすることは一般的です。
ニックネームは広く受け入れられています。綴りは変えることはできませんが、英語の名前に馴染んだ名称で呼び合うことで、互いの親近感を近づけることができます。
<ニックネームに関する参考サイト>
アメリカのニックネーム一覧:アメリカinfo > 【付け方にルール有り】定番の名を紹介!
「名前 英語のニックネーム」などで検索すると、ニックネームの例や定番の付け方を探すことができます。
ぜひあなたのニックネームを考えてみてください。
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まとめ:名前や固有名詞をどう伝える!?効果的なスペル表現
これまで、名前や固有名詞の伝え方を解説してきました。
アルファベットを伝えるには「フォネティックコード」の活用が効果的です。
・カジュアル(日常):典型的でシンプルな単語で表現する
・フォーマル(ビジネス):国名や地名で表現する
そして、フォネティクスコードの活用にはポイントがあります。
・スペルを尋ねる表現:スペルを教えてください(How do you spell it?)
・スペルの伝達「for」の表現:「appleの’a’」は「‘a’ for apple」
・カタカナの名称と英語名が異なる国名には注意!
・例える単語に個人の好みが左右する名称は使わない
・ニックネームを効果的に活用しよう(ex. Call me ‘Masa’!)
名前が伝わらないって、コミュニケーションにおいて致命的ですよね。
綴りを正確に伝えることで、スペルを正確に伝えることは可能です。
さらに、英語ベースのアクセント特性やニックネームの活用を意識することにより、口語のコミュニケーションは格段にスムーズになります。
ぜひ今日から使ってみてください。
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最後までお読みくださりありがとうございました。