日本はハイコンテクスト!?伝わる英語表現のポイント7選

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「英語を話せるようになりたい」、そう思う人は多いです。

ところが、英会話では、「話せない」「伝わらない」「わからない」という現実があります。理想と現実とのギャップに、ジレンマを感じることも多いのではないでしょうか。

私自身、英語コミュニケーションにおいて、「伝わらない」「わからない」に戸惑うことは数多くありました。しかし、戸惑いを気付きに変換することで、違和感なく会話を楽しむことができるようになりました。

日本人が話す英語を伝えるためには、単語や文法など基本的な語学力とは別に、「文化性」の理解が重要です。

今回は、日本の特性である「ハイコンテクスト文化」を正しく理解し、より効果的なコミュニケーションを可能にするための基本7選をお伝えします。

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ハイコンテクスト文化とは

家族や友人間のコミュニケーションにおいて、「言わなくてもわかるでしょ」「言わなくてもわかってよ」という経験をしたこと、ありますよね。

この、「語らずに察すことができる度合い」のことを「コンテクスト」と言います。直訳では「文脈、背景、前後関係」という意味です。

日本は、「語らずに察する」文化性が非常に強い国です。「空気を読む国」とも言えます。

その理由は、島国で単一言語国、歴史的に独自文化性も強く、考え方や価値観が非常に近い人々が集まっているからです。世界的に、最もハイコンテクストな国の1つに分類されます。

しかし、「語らずに察せる文化」は、世界共通ではありません。アメリカやカナダは、「メルティングポット(人種のるつぼ)」や「サラダボウル」と表現される、多人種環境の国です。共通の価値観が少ないことが常識であることから、言語表現内容が価値を持つ、「ローコンテクスト文化」が定着しています。

つまり、日本人が、日本語で話す言葉をそのまま英語に変換しても、英語圏の人には意味が伝わらないことがあります。その理由は、英語に「言わなくてもわかるでしょ」を読み取る文化性が低いからです。

「ハイコンテクスト」とは、価値観や感覚、考え方などのバックグラウンドが近い人々間でのみ意思疎通が可能な常識です。この特性を理解し、英語の表現を意識することで、英語コミュニケーションを確実に上達させることができます。

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ハイコンテクストを克服するコミュニケーション方法

日本人が英会話で意識すべき、厳選表現7つを紹介します。

「思う(I think)」は極力使わない

日本語には、多種多様な「多義語」が存在します。「思う」もその1つです。

英語表現では、「期待(expect)」、「仮定(suppose)」、「提案(suggest)」「願い(believe)」など、より本質を示す別の単語を使うよう意識しましょう。

また、日本語の「思う」は、言い切ることへの不安とともに、「私は思いますが。あなたはどうでしょう?」という、暗黙に相手の意見を伺う要素が込められています。

相手の意見が欲しいときは、明確に「what / how do you think?(あなたはどう思いますか?)」の1文を最後に加えましょう。

文はシンプルで、さらに、意見を求めていることを明確に伝えることができます。

「できない」の使い分け

日本語ではどちらも「できなかった」ですが、「時間がなくてできなかった」と「挑戦してみたけどできなかった」では、意味が異なります。

・時間がなくてできなかった: I haven’t tried yet (まだ試していない)

・挑戦したけどできなかった:I couldn’t find it.(探したけれど見つからなかった)

また、現在や未来の表現で、「can」は意志を示します。試みているができないことと、そもそも試す気がなくて「できない」場合の表現は異なります。

・英語を話せないの:I can’t speak English(話せるようになることを諦めた)

・スペイン語は話さないよ:I don’t speak Spanish(話そうとしたことがない)

現状を伝えるのではなく、未来にどうなる意思があるのかを明確に伝えましょう。

・[can] I can do it for you.:頑張ります。引き受けるよ。

・[can’t] I am trying to speak English:(今はできないけど)英語を話したいと思っている。

「大丈夫?」のブレイクダウン

あなたは、「大丈夫?」に対し、どのようなシチュエーションを思い描きますか?

「大丈夫」には、状況により、それぞれ異なる定型表現があります。

・are you okay?:心配しています(怪我をしたり悩んだりしている人に呼びかける)

・are you available?:ご都合いかがですか(スケジュールを調整する)

・do you need help?:1人でできますか?(手伝わなくて良いかを尋ねる)

・are there any concerns?:気になることはありますか?(不安や懸念を尋ねる)

・do you have any problems?:解決すべき問題はありますか?(直面している課題を尋ねる)

このように、直訳の「are you okay?」は、ほとんど意味がありません。日本語にすると、全て「大丈夫?」ですが、目的を明確に表現することにより、期待する回答を得ることができるようになります。

「意志」を示すには

日本語の「いいよ」は、肯定にも否定にもなる、難易度の高い多義語です。

「いいよ」への意志を伝えるには、いくつかのシンプルな定型表現があります。

・willing to do:嬉しい!ありがとう!(誘いを受けた場合など。かなり肯定的)

・no problem / no worries:気にしなくていいよ(期間延長や予定変更依頼などに対応できるとき)

・I’m good:不要です(誘いに「no」を使わず断るとき)

・I won’t do:決して実行しません(注意などの念押しに約束する時)

ここで注意したいのは「no」や「good」の表現です。「no」は常に断りではなく、「good」も常に肯定ではありません。日本語の「いいよ」に幅があるように、英語表現にも、文脈により意味が変わる表現があります。

例えば、挨拶(how are you?)への受け答えである「I’m good」は肯定表現(まぁまぁかな)ですが、上の例のように、誘いへの受け答えの場合は、やんわり断る表現(私はその誘いがなくでも良い状態です)になります。

このように、シンプルな定型表現を意識することで、直訳では曖昧になりがちな「意志」の度合いを誤解なく伝えることができます。

「わかった」を伝えよう

「わかった」を表現するのに、あなたはどのような単語を思い浮かべますか?

英語表現の「わかった」には、いくつかのパターンがあります。

・understand:心境理解するよ(同調)

・got it:了解。(肯定的な納得)

・understood:納得!(過去形表現であることに注意)

・I see:そういうことね。(少々意見が異なる場合を含み、理解を示す)

・noted:覚えておくよ(後続アクションがある場合を含み、記憶に留めたことを示す)

・I found / I realized:発見した、発覚した(新たな情報を伝える)

「わかった」の表現は、基本的には肯定的であり、どの表現でも深刻な誤解を招く可能性は低いです。

しかし、表現のバリエーションを増やすことで、英語への「こなれた感」をアピールすることができます。

「いいね!」の表現

これまで紹介してきたように、日本語には幅広い意味を含む単語が多く存在します。少ない語彙でもニュアンスで通じ合えるらです。

しかし、英語はローコンテクスト文化です。言語依存性が高いことから、感情や印象の表現が多数存在します。

ここでは、プラスの感情「いいね!」の定型表現をいくつか紹介します。

まず、褒める表現として、以下のようなものがあります。

<褒める表現>

・perfect:完璧だね!

・awesome:すげー

・amazing:夢みたい

・excellent:さすが!!

・fantastic: 素敵!

・impressive:印象的、感動的

また、未来への楽しみを伝える、以下のような定型表現があります。

<楽しみを示す表現>

I’m happy to / I’m glad to talk to you:話せて嬉しいよ(今の喜びを示す表現。)

looking forward to seeing with you:会えるのが楽しみ!(未来への楽しみ)

hope to be better:きっと良くなってね!(近い未来への期待!)

wish to come true:かなうといいなー(すぐではないかもしれない願望)

I can’t wait for the next show:次まで待てないよ!(否定文で期待を強調する)

感情表現を示す単語を効果的に使うことで、抑揚は豊かになり、リズム感ある英語を話すことができるようになります。

「not」を明確に

日本人は、「no」 を言わない人種として有名です。

もちろん、否定文と肯定文は明確に存在します。しかし、英語も日本語も、否定文と肯定文は、たった1語の「not」や「ない」で区別されます。その1語で意味が正反対になるにもかかわらず、です。

従って、特に話し言葉では、否定文か肯定文かを判断しづらいことがあります。それは、否定を示す「not」は、文の冒頭部には来ますが、多くの場合、「don’t」「can’t」「won’t」など、省略形で発音されるからです。

日本語は、基本的に全て母音(あ、い、う、え、お)で終わることから、日本人の耳は、子音単独の音に慣れていません。このため、英語の否定を示す末尾の子音「t」(トゥ)の音を聞き取れないことが多いです。

文として肯定か否定かを判断できないのでは、会話が成り立ちません。

英語を話す際は特に、「can not」、「did not」のように、敢えて「not」を略さず、さらに「not」の「o」を強調して発音することをお勧めします。

同じように、肯定を強調するときは、敢えて「do」を入れることも効果的です。例えば、I did check the document. (資料、確かに確認したよ)、といった表現です。

「not」を意識することで、コミュニケーションは格段にスムーズになります。

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ローコンテクスト表現を理解する

繰り返しますが、日本は、ハイコンテクストの国です。

これは、ローコンテクストの国である、イギリスやアメリカの人々の表現に戸惑うことが、多々起こり得ることを意味します。「言わない」ことが常識の日本人にとって、「言う」ことが常識の英語表現が、「言いすぎ」に聞こえてしまうためです。

私の経験では、こんなことがありました。

質問:
「コーヒーと紅茶どちら飲む?」

あなたなら、どう答えますか?

回答例:

・コーヒーかな

・紅茶お願い

・どちらでも

・今はいらない

さて、ローコンテクストとハイコンテクスト、受け答えはどのように変わるでしょう。

日本人の場合、「どちらでも」を選ぶ方は多いのではないでしょうか。

ハイコンテクスト文化における「どちらでも」の背景には、言葉にしない「準備しやすい方をいただきます」という、相手への配慮があります。

しかし、ローコンテクスト文化の人々にとって、「どちらでも」は、「わからない」を意味します。意志が伝わらないので、不安を与えてしまいます。

結果、回答はこうでした。

「飲みたくないなら、今はいらない、と言えば良いし、聞き取れなかったなら、なんて言ったの?と聞き返せば良い。どちらでも、は、回答になっていない」

この説明を受けたとき、私は、「なんと。。。(そんなにはっきり言わなくても。キツイこと言うな〜)」と、戸惑いました。しかし、後から思い起こすと、この戸惑いは、スムーズな英語コミュニケーション上達のための第一歩でした。

異なるバックグラウンドを持つ人種が、意志ある表現をすることは、「普通」のことです。

この場合、質問者は、コーヒーと紅茶の双方を入れる可能性がある手間を承知の上で、「どちらが良い?」と質問しています。二度手間になる可能性を排除するなら、「コーヒー飲む?」または、「紅茶のむ?」と尋ねます。つまり、「両方準備するのは面倒だろうな」という配慮は、そもそも不要なのです。

ハイコンテクストからの脱却と、ローコンテクストの理解は、表裏一体です。双方は歩み寄りの関係にあります。自国と他国の文化特性を認識することが、激的なコミュニケーション上達に繋がります。

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まとめ:英会話上達に役立つ、よく使う基本フレーズおさらい

スムーズな英会話に、難しい単語は不要です。

なぜなら、言葉は伝えるためのものだからです。

想いを表現する最小限の単語を正しく理解し、状況により使い分けることが、英会話を上達させる最短のアプローチです。

ここで紹介した7選は、どれもシンプルな表現ばかりです。しかし、日本語の曖昧さをクリアにするのに、非常に効果的です。

<伝わる英語表現のポイント7選>

・思う(I think)」は極力使わない

・「できない」の使い分け

・「大丈夫?」のブレイクダウン

・「意志」を示すには

・「わかった」を伝えよう

・「いいね!」の表現

・「not」を明確に

それぞれの違いやニュアンスを適切に表現することで、あなたが伝えたい意図を、明確に伝えることができるようになります。

ぜひ、今日から試してみてください。

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最後までお読みくださりありがとうございました。

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