英語の発音は難しい、そう感じる人は多いです。
私も、初めはそうでした。発音記号やフォニックスで、舌の位置や喉を通る空気量による音の変化を学び、「瞬間瞬間の音に、いくつもを同時に意識しないといけない。英語の発音は忙しいなぁ。。。」と感じていました。
しかし、日本語の発音に特徴があるように、英語の発音にも特徴やコツはあります。
日本人の英語は、ポイントとなる3つのコツを意識することで、伝わりやすい発音にできます。
この記事では、発音への苦手意識を克服すための実践法を具体的に紹介します。
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もくじ / Table Of Contents
英語の発音は違ってあたり前!世界の人口とネイティブ率
英語はわからない、そう感じる人は多いです。
しかし、世界中7000を超える言語が存在する中で、英語が通じる国は世界の約40%、インターネット上でも約25%は英語です。
一方、英語のネイティブ人口率は25%です。そして、超ネイティブであるアメリカとイギリス間でさえ、その言い回しや単語、アクセントの特徴は異なります。
つまり、非ネイティブの英語に、クセはあって当然です。
なぜなら、母国語の発音のクセが混在するからです。
例えば、シンガポールの公用語はマレー語や標準中国語ですが、6割以上が英語をバイリンガル(※)に話します。にもかかわらず、英語の発音には公用語の特徴が強く混ざることから、シンガポール英語は、「シングリッシュ」と呼ばれます。
(※)バイリンガルとは、母国語と同じくらい、他の言語を流暢に使いこなすことができることをいいます。
日本語の発音にも、強い特徴があります。しかし、英語と日本語双方のアクセントの特徴やコツを意識することで、伝わりやすい英語を発音できるようになります。
以降で、日本人英語の発音改善に効果的な3つのポイントを解説します。
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日本人は英語が下手!?苦手すぎる発音の理由
「日本人の英語の発音は下手すぎ」と、あなたも思いますか?
日本人の英語の発音は、「母国語の発音のクセの混在」と深く関連しています。
英語には、子音が連続する単語が多く存在します。しかし、日本人の英語は、1子音毎に母音が無意識に付与された発音になる傾向があります。
これには、日本語に由来する2つの理由があります。
・日本語の発音が基本的に全て、母音(あ、い、う、え、お)に着地する
・日本人はアルファベットの文化がなく、英単語の読み方をカタカナ表記する
日本人英語を、「カタカナ英語」と表現するのはこのためです。
例として「picnic」を挙げてみましょう。
「picnic」は6つの文字から成り、母音は「i」のみ、真ん中の 「cn」は子音が連続します。発音記号で表すと「píknɪk」であり、その発音は、カタカナで「ピッニッ」と聞こえます。
しかし、日本語的に表現すると、「picnic」は、「ピクニック」(piku-nikku)、「k」の後ろに、母音の「u」を追加します。従って、日本語に耳慣れない子音の連続「cn」や、子音のみの発音(末尾の「c」)は、日本人には音が欠落して聞こえてしまいます。
英語を第二外国語として話す人々(日本人もそうです)の発音には、少なからず母国語の発音のクセが混在します。日本人の場合、1子音毎に母音が強く発音される傾向が強いという特徴があると捉えると良いでしょう。
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日本人が英語の発音をよくするための3つのコツ
英語の発音が上手くなりたい、ネイティブっぽく話したい、そう思う人は多いです。
発音をよくするためのアプローチには様々なものがあります。
ここでは、日本語の特徴を踏まえることで始められる、厳選3ポイントを紹介します。
ポイント1:文節の末尾は文末の発音と捉えよう
子音の発音は難しい、と思う人は多いです。
確かに、英語の子音の発音は、日本語と異なる特徴が多いです。
しかし、日本語と英語に共通する発声要領を適用することで、「それらしく聞こえる単語」を発声することは可能です。
英語には、子音の連続、単語間のリンキング(音がつながること)など、文字構成の特徴があります。加えて、空気量や舌の位置も発声に影響します。
一方、実は日本語の中にも、子音として発音している音があります。
・ん:n、m
・です、ます(現在形の文末表現):des、mas
あまり意識したことはないかもしれませんが、文末の「ます」は、「masu」とは発音していません。外国人にとって、文末の「ます」は、「mas」と表記すると、自然な日本語の発音に聞こえます。
つまり、日本人は、文末の「s」を自然な子音で発声しています。「す」の母音「う」を強く発音せず、息を抜く「ます」です。
従って、文節を文末のように捉えることで、日本人は、自然な子音を発音することができます。
ポイント2:長音(伸ばす音)は違う文字に変換しよう
日本語は、平坦な言語と言われています。
そのため、日本人の話す英語に抑揚がないことは多いです。
長音とは、平に伸ばす音で、必ず母音です。抑揚をなくす音でもあります。
つまり、長音を他の音に読み替えることで、伝わりやすい英語に変えることができます。
まず、長音の「a」は「エイ」に、「o」は「オウ」と書き換えます。
・vacation(休み):バケーション → バケイション
・name(名前):ネーム → ネイム
・total(合計):トータル → トウタル
一方、「u」または「r」と隣あう音は、長音のまま残しますが、口をすぼめるよう意識します。
・revolution(革命):レヴォリューション
・organization(組織):オーガニゼイション
・international(国際的な):インターナショナル
・feature(特徴):フィーチャー
そして、「i」の長音は「e」に代替されます。「e」の長音は、口をしっかり横に引いて「イー」と発音します。
・Egypt(エジプト):イージプト
・feature(特徴):フィーチャー
このように、平坦さを強調する長音部を意識すると、英語に近い発音になります。
ポイント3:キーワードは強調し後ろに一瞬「間」を入れよう
あなたは、英語を聞いて「音楽みたい」と思ったことはあるでしょうか。
英語の特徴である、息の通り方、音の高低や強弱は、リズムを形成します。
日本語の場合、方言にリズム感があるのと似ています。
音のリズムは、伝えたい単語やストーリーを印象付けるのに効果的です。ストーリーのキーワードとなる単語の直後には、意識的に「間」を入れましょう。その他、間を入れる対象は、疑問部、接続詞、文末です。
全ての音や文字を伝えるのではなく、印象に残したいポイントを意識することで、抑揚ある話し方ができるようになります。
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読み上げ練習法!発音をよくする3つのコツの実践
これまで、発音をよくするための3つのアプローチを1つずつ解説してきました。
では早速、「伝わりやすさ」がどう改善されるか、実践です。
言語に関するガイドを例に考えてみましょう。(source: Ethnologue Language of the World)
基本編:1文をじっくり分解しよう
まずは、タイトルです。
How many languages are there in the world?
発音を敢えてカタカナにすると、こうなります。
ハウメニーラングイッジーズアーゼアインザワールド?
カタカナ表記では、長音の多さは明白です。
これを文節に区切ると、次のようになります。
How many languages / are there in the world?
この中で意識すべき、3つのコツを当てはめてみましょう。
・子音で終わる文節末尾:languages、world(息を抜いて発音する)
・変換する長音: world(長音のまま残すが口をすぼめる)
・間を入れる箇所:How many languages(疑問部)
3つのアプローチを踏まえての発音をカタカナ表記すると、以下のようになります。
ハウメニーラングイッジーズ(z)、アーゼアインザワールド(d)?
英語の発音という意味では、Howの「w」、thereの「th」など、他にも英語固有の特徴はあります。
しかし、ここまででも「伝わりやすさ」は格段に改善します。
応用編:段落をストーリーで捉えよう
次に、本文です。ストーリーを捉えるには、以下のステップでブレイクダウンすることをおすすめします。
・文節に区切る
・3つのコツの該当として意識する箇所に目印をつける
・キーワードを並べてストーリーを解釈する
・発音を意識して読み上げる
・3つのコツの該当箇所に着目して読み上げを聴く
本文は、以下のように続きます。(冒頭のThat numberは、具体的に’The number of languages’「言語の数」に言い換えています)
The number of languages is constantly in flux, because we’re learning more about the world’s languages every day. And beyond that, the languages themselves are in flux. They’re living and dynamic, spoken by communities whose lives are shaped by our rapidly changing world. This is a fragile time: Roughly 40% of languages are now endangered, often with less than 1,000 speakers remaining. Meanwhile, just 23 languages account for more than half the world’s population.
これを文節に区切ると、次のようになります。
文節は、動詞、名詞、副詞が目印です。形容詞は名詞までが一括り、副詞は単独です。加えて、接続詞、カンマ、ピリオドで区切ります。
The number of languages is / constantly / in flux, / because / we’re learning / more about the world’s languages / every day. / And beyond that, / the languages themselves are / in flux. / They’re living and dynamic, / spoken by communities / whose lives are shaped by / our rapidly changing world. / This is a fragile time: / Roughly / 40% of languages are now endangered, / often with less than 1,000 speakers remaining. / Meanwhile, / just 23 languages account for / more than half the world’s population.
そして、意識すべき、3つのコツの該当を追加します。(※)
The number of languages is / constantly / in flux, / because / we’re learning / more about the world’s languages / every day. / And beyond that, / the languages themselves are / in flux. / They’re living and dynamic, / spoken by communities / whose lives are shaped by / our rapidly changing world. / This is a fragile time: / Roughly / 40% of languages are now endangered, / often with less than 1,000 speakers remaining. / Meanwhile, / just 23 languages account for / more than half the world’s population.
(※)色分けは、それぞれ以下を示します。
・青字:文末のように発音する(ポイント1)
・赤字:長音を変換する(ポイント2)
・太字:強調するキーワードで一瞬「間」を入れる(ポイント3)
・緑色:文や文節の切れ目で「間」を入れる(ポイント3)
さらに、キーワードを並べて、ストーリーを確認しましょう。
number of languages(言語の数)、flux(流動的)、living and dynamic(活動し変化する)、changing world(世界の変化)、fragile time(危なっかしい時)、40% endangered(40%が危険にさらされている)、just 23 languages more than half (23言語が半数以上を占める)
この段落のストーリーは、「言語は常に変化する。40%はなくなりそうだし、世界人口の半数以上は23の言語で成り立っている。」ということがわかります。
文の構成を認識したら、意識して読み上げてみましょう。
また、文の読み上げを聴いて(※)みましょう。意識したポイントがどのように発音されているかを確認することができます。
(※)文を読み上げる方法は、PC(Windows, Mac)も、モバイル(iOS, Android)も、OS機能に備わっています。「Mac テキスト読み上げ 設定」などで検索すると、設定方法を調べることができますので、ぜひ試してみてください。
このように、日本語と英語、双方の特徴を理解し意識することで、日本人の英語を伝わりやすいアクセントで発音することができます。また、キーワードを明確にすることで、誤解なくストーリーを伝えることも可能です。
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まとめ:読み上げ練習法!日本人英語の発音をよくするには
この記事では、日本語を母国語とする人が、英語の発音をよくするためのコツについて解説してきました。
・文節の末尾は文末の発音と捉えよう
・長音(伸ばす音)は違う文字に変換しよう
・キーワードは強調し後ろに一瞬「間」を入れよう
英語の発音は、国や母国語によって異なります。
日本語にも方言はありますが、多くは、意思疎通にほぼ影響しません。特定の単語や文末表現が異なるのみだからです。そして、「標準語」という概念により、多くの人が通じやすい日本語を話すことができます。
日本語、英語、双方の特徴を理解し意識することで、日本人が、伝わりやすい英語を発音することは可能です。
ぜひ、今日から実践してみてください。
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最後までお読みくださり、ありがとうございました。