「英語は疲れる」そう思う人は多いです。
端的に言って、英語に疲れるのは、英語に慣れていないからです。
とはいえ、英語に限らず、人は誰しも「慣れないことに集中する」ことにより、疲れを感じます。仕事、友人関係、楽しみにしていたパーティーや外出、日常に変化を求めながらも、身体や脳は、変化に疲れを感じ、休息を求めます。
英語脳を育てることは、英語に「慣れること」を意味します。英語脳を身につけるメリットや効果的なアプローチを意識し実践することにより、英語に対するストレスを軽減することができます。
この記事では、英語脳のメリットと、今からできる英語耳、英語脳の育て方を解説します。
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もくじ / Table Of Contents
大人になっても始められる!? 英語脳・英語耳とは
英語脳とは、「英語を英語のまま理解すること」、英語耳とは、「英語を聞き取る力」を指します。
「英語ができるようになりたい」あなたは何歳の時、そう思いはじめましたか?
一般的に、英語耳は14ヶ月頃から形成され、ネイティブレベルの発音には、12才位までには英語に触れていることが必要とされています。つまり、母国語を習得し、知能を獲得する時期です。
私の場合、英語に興味を持ったのは高校生のとき、英語の発音に興味を持ったのは成人後でした。完全に遅いです。
しかし、理屈を理解し継続することで、英語の聞き取りも、日本語を介さない理解も問題なくできるようになりました。「英語に疲れた」と感じることもありません。
「ネイティブ」とはいかないまでも、英語を「言葉」として自然に感じるように脳を育てることは可能です。
英語脳で考えるという意味や育て方ついて、順を追って解説します。
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英語脳の作り方!英語を英語として捉えるとは
英語を英語として捉えるとは、それぞれ以下の状態を示します。
・リーディング:頭から文を見て理解できる
・リスニング:間をおかずに回答できる、ストーリーを捉えられる
・スピーキング:フレーズで話すことができる
・ライティング:英文で書き始められる
基本的に、英語脳とは、「英文を冒頭部からそのまま理解する力」と捉えて良いでしょう。
英語を冒頭からそのまま受け止め解釈し、コメントや回答、質問などを冒頭から発信することができる。それが、英語脳ベースのコミュニケーションです。
英語脳でコミュニケーションできることには、以下のようなメリットがあります。
・即理解、即回答により、時間の無駄を省くことができる
・訳すという「言語脳の切り替え」に伴う頭の混乱を避け、脳の疲労を軽減できる
・その言語のリズムや温度感に則ることで、ミスコミュニケーションを軽減できる
英語脳を育てるにはコツがあります。
以降で、英語4技能(リーディング、リスニング、スピーキング、ライティング)別に説明します。
リーディング:文の並びに沿って解釈しよう
英文を捉えるとき、「英語は後ろから訳す」と習った人は多いと思います。
確かに、日本語と英語を対比し、「日本文に訳す」という意味では、英文の後ろから文字を追っていくことは正しいです。しかし、それではなぜ多くの言語や英語の文構造が成り立つのか、説明がつきません。
英語は、文節で区切ることで、前から読むことが可能です。
例として、アマゾンのミッションステートメント(企業方針)を見てみましょう。(Source: Amazon in the UK Our Mission
例)Amazon’s mission:
We aim to be Earth’s most customer centric company.
この1文の文節は2つです。以下のようになります。
・We aim to be
・Earth’s most customer centric company
装飾語を除いてみましょう。
We aim to be a company.:こんな会社になりたい
「企業方針」そのままです。どんな会社になりたいか。を1文で示しています。
どんな文でも、特徴や個性のない基本の文があります。そして、このシンプルな文を飾るのが「形容詞」であり、「副詞」です。言い換えると、文を飾る箇所が、他との差別化要素です。
この文の場合、形容詞部‘Earth’s most customer centric’が該当し、形容詞は2つです。
Earths’ : 地球上の
Customer centric: カスタマー中心の
文節という意味では、形容詞と副詞で区切り方は異なります。形容詞は名詞までが一括り、副詞は単独で区切ります。
従って、文節は、動詞、名詞、副詞が目印です。加えて、文や単語を区切る接続詞、カンマ、ピリオドで区切ります。
要は、長い文をキリの良いところで区切ることで、頭にとってパーツを捉えやすく分解します。
アマゾンの企業方針の場合、文は、次のように続きます。
We aim to be Earth’s most customer centric company. Our mission is to continually raise the bar of the customer experience by using the internet and technology to help consumers find, discover and buy anything, and empower businesses and content creators to maximise their success.
これを、文節で区切ってみましょう。日本語に訳すならば、同時通訳の説明のようなイメージです。太字の箇所は動詞または副詞、下線部は名詞の区切りです。
初めの短い1分の次に続くのは、長い文です。「消費者中心」をより詳細に述べています。目に入る順に少しずつ解釈すると、完全な文として訳すことなく、全体を捉えることが可能です。
この場合、頭の解釈をあえて日本語に表現すると、次のようになります。
初めの文章は、company(会社のこと話していて)、次の文章で、continuoually(継続的に)、バーをあげて、experience(消費者の経験値)、あ!customer、また出てきた。次には「by」がきているので、ここが支えてる人の話!ふむふむ、で、だれ!?
で、help customer (あ、またcustomer)、カスタマーの行動を助ける。そして、empower (勇気づける)、creators(製作する人々を)、maximize(最大化する)+success (成功を)。会社は、そりゃ成功目指すよね。
つまり、長い2文目でストーリーを捉えるキーワードは、「by using the internet and technology」、Amazon は、customer centricをinternet and technologyを通じて成功を目指す会社と、理解できます。
英文を冒頭から、文節で区切って読み進めることにより、文は、数単語グループの羅列に変わります。各文節内では、フォーカスすべき単語数は限られ、脳が意味を捉えることが容易になります。
リスニング:抑揚に表れる強調ポイントにフォーカスしよう
文の構成を認識したら、文の読み上げを聴いてみましょう。(※)
この場合、以下の基本部は、敢えて聞き取る必要はありません。
We aim to be a company.:こんな会社になりたい
「聞き流す」程度、理解が間違っていないことを確認する集中力で臨みましょう。
要点にフォーカスすると、よりリラックスして英語に触れ続けることができます。
読み上げ時の抑揚(アクセント)は、それぞれの単語の下線部にあります。助詞や冠詞にあたる短い単語(to, of, a, theなど)に抑揚がつくことはほぼありません。
We aim to be Earth’s most customer centric company.
次にフォーカスするのは、裏付け程度に、志を示す動詞の「aim」です。すると、他の単語が流れている間に、「次はどのようなcustomerに関する定義や説明がくるだろう」と、後続のストーリー展開を考える余裕ができます。
We aim to be Earth’s most customer centric company.
キーとなる単語を抑えることで、全単語に神経を集中させる脳のストレスを大幅に軽減することができます。
(※)補足:文を読み上げる方法は、PC(Windows, Mac)も、モバイル(iOS, Android)も、OSに備わっています。「Mac テキスト読み上げ 設定」などで検索すると、設定方法を調べることができますので、ぜひ試してみてください。OSに備わっている読み上げ機能活用の工夫については「OS機能で自由自在!!英語リスニング勉強法の5ステップ」で詳しく解説しています。
スピーキング:間と強調のバランスで印象づけよう
「英語を話せるようになりたい」そう思う人は多いです。
効果的に伝わる英語を話すためには、フレーズを意識することが効果的です。リスニングでポイントに集中したように、話す時には、伝えたいメッセージにフォーカスが集まるように工夫するのです。
フレーズを意識するポイントは2つです。
・区切ったところで息抜きをする
・強調したい単語は、アクセントを意識しはっきり発音する
先の例文(アマゾンの企業方針)の場合、フォーカスは形容詞部「Earth’s most customer centric」です。深く印象付けたい場合は、1語1語、それぞれ区切るとより効果的です。
We aim to be / Earth’s most customer centric company.
スピーキング(話すこと)では、文節とメインワードの強調を意識しましょう。
スピーチやプレゼンでは、「伝えたい単語を印象深く発声できるか」が、効果的に伝達できるかどうかの決め手です。これは、言語に依存しないプレゼンスキルでもあります。
聞く人に印象深く残るプレゼンの例として、スティーブ・ジョブスのApple新製品紹介は有名です。少ない単語で、端的に、間を溜めて、効果的に強調ポイントを印象付けています。
Youtubeで、’apple Steve Jobs speech’ などで検索すると、過去の動画を鑑賞することができますので、ぜひ聴いてみてください。
Steve Jobs Youtube動画の例
・新製品iPhone紹介:Steve Jobs > Apple’s iPhone Introduction
・新製品iPad紹介: JP Steve Jobs introduces the iPad – 2010 (full)
強調ポイントを意識し、間を持たせることは、要点を絞って伝えられるだけではありません。話者が息をつく余裕は、考えを整理する「間」になります。その結果、総合的にミスコミュニケーションリスクを軽減させることができます。
ライティング:キーワードをフレーズでまとめよう
リーディング、リスニング、スピーキングと比較して、ライティングの必要性や期待値は少ないかもしれません。
しかし、ビジネスで、ライティングは以下のような場合に必要です。
・状況を整理し、メールや問い合わせ文で伝える
・ミーティングなど、議事共有のためのメモを取る
・チャットで会話する
このような場面で、英語脳での聞き取りや読み取り、思いつきを即時に書き始める力は非常に効果的です。
伝えたい内容を文節レベルで記録できるからです。
どんなに急いでも、ライティングはリスニングの速度についていけません。ビジネスライティングの目的は意思疎通であり情報共有です。確認事項を端的な単語で表現することが重要です。
フランクに使える略語の活用も効果的です。英語の温度感でキーワードを抑えることで、率直でスムーズなコミュニケーションが可能です。
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まとめ:英語4技能における英語脳の作り方とは
これまで、英語脳の作り方を4技能別に解説してきました。
・リーディング:文の並びに沿って解釈しよう
・リスニング:抑揚に表れる強調ポイントにフォーカスしよう
・スピーキング:間と強調のバランスで印象づけよう
・ライティング:キーワードをフレーズでまとめよう
英語に慣れ、脳のストレスを軽減させることで、英語を英語のまま理解する力を身につけることは可能です。
ぜひ、今日から実践してみてください。
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最後までお読みくださり、ありがとうございました。