リスニングができない、そう悩む人は多いです。
端的に言って、英語が「聴き取りにくい」のは、英語を話す人のアクセントや発音に馴染みがないからです。
日本語の発音に特徴があるように、英語の発音にも特徴やコツがあります。
リスニングができるようになるには、3つのステップを順に辿ることが大切です。
ステップごとのポイントを意識することで、リスニングの上達を必ず実感できます。
ただし、聴き取りができることと意味が理解できることは別です。意味の解釈には、語彙力や構文理解が必要だからです。
この記事では、「聞き取り」の苦手意識克服にフォーカスした解決方法を紹介します。
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もくじ / Table Of Contents
苦手意識を魅力に!できると得する聞き取りのメリット
リスニングは苦手、英語は聞き取りにくい、そう思う人は多いです。
私も以前はそうでした。しかし、英語に慣れてくるにつれ、「リスニングができるって、ほんっとオトク!」と、その利得を日々強く実感するようになりました。
文字が連なるリーディングと比べ、リスニングには絶対的な3つの美質があります。まずは、リスニングの利点を理解し、苦手意識を興味に変えましょう。
メリット1:音がわかる
あなたは、初めてみる単語を発音することができますか?
初めてみる単語を発音できるためには、通常、以下のような前提知識が必要です。
・知っている単語から推測する
・英語のフォニックス(発音のルール)を活用する
・発音記号を活用する
「リスニング」には、文字を音にしてくれるというメリットがあります。
あなたにとって、その単語を知っているかどうかは問題ではありません。
発音にしても、例えば、「company」(カンパニー)の「o」は、「オ」ではなく「ア」であることがわかりますし、逆に、「orange」の「o」は、「ア」ではなく「オゥ」であることがわかります。
文字の読み上げ機能は、手持ちのコンピュータやモバイルで設定(※)できます。あなた以外の、しかもその単語を知っている誰かを探して「この単語、なんて読むの?」と尋ねる必要がありません。
(※)文を読み上げる機能は、PC(Windows, Mac)も、モバイル(iOS, Android)も、OSに備わっています。「Mac テキスト読み上げ 設定」などで検索すると、設定方法を調べることができますので、ぜひ試してみてください。OSに備わっている読み上げ機能活用の工夫については「OS機能で自由自在!!英語リスニング勉強法の5ステップ」で詳しく解説しています。
まずは、リスニングに対し、「この単語どう発音するのか聞いてみよう」という軽い気持ちで向き合ってみましょう。
リスニングを単語の読み方を教えてくれるツールと理解することで、苦手意識を興味に変えることができます。
メリット2:アクセントやイントネーションがわかる
単語や文を見て、「この単語、アクセントどこ?」、「この文、ポイントどこ!?」と思うこと、ありますよね。
そんな時、あなたは、どうしますか?
・文を文の構成(SVOC)や文節に分解する、または自力で訳す
・Google翻訳などの翻訳機能で内容を理解する(内容解釈が目的の場合)
「リスニング」には、単語のアクセントや文の抑揚を音にしてくれるというメリットがあります。
英語は、単語も文も段落も全て、アルファベットの羅列です。
しかし、単語にはアクセント(強弱)があり、文にはイントネーション(抑揚)があります。アクセントを間違うと意味が変わり、イントネーションを捉えられないと、ポイントがわかりません。
日本語の「はし」が、「橋」「箸」「端」と、文脈によってアクセントや意味合いが異なるのと同じです。
英語の場合、「resume」など、品詞(この場合動詞と名詞)によりアクセントや発音が変わるものがあります。また、「circumstance」「environment」など、長い単語の読み方は、フォニックスの知識から紐解くことは難しいでしょう。
人の音声の場合、機械音よりも、強調箇所の抑揚は明確です。感情や想いがプラスされるからです。
リスニングは、アルファベットの羅列に濃淡をつけてくれます。つまり、聞き取りができることで、リーディングに伴う脳へのストレスを大幅に軽減させることができます。
メリット3:時間を節約できる
独学って、ジャンルに関わらず大変ですよね。
もちろん、自分でペース配分できるというメリットはあります。でも、教えてもらうよりも確実に時間はかかります。
文書を読み解く際のリスニングは、本を読んでもらう感覚に似ています。その文面を聴きながら読むときの理解度は、独り読みのときより格段に効率的です。
リスニングができるようになると、論文や本などの大作に気軽に取り込めるようになります。
では次に、リスニングを上達させるための具体的なステップを紹介します。
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基本編:英語リスニング自由自在!のための対策3ステップ
リスニングを上達させるには、パーツから全体に、徐々に視野を拡大するステップ効果的です。
ここでは、基本となる「単語から文」へのステップアップ勉強法を解説します。
練習法自体は、どのステップにおいても全て同じです。
・読んでもらう:目と耳からインプットする
・復唱する;目と耳でアウトプットする(シャドーイング)
・独り立ちする:耳からのインプットからアウトプットをイメージする
しかし、ステップにより、フォーカスポイントが異なります。
それぞれのステップで明確になるポイントを意識することで、確実にリスニングを上達させることができます。
ステップ1:単語は品詞別にまとめよう
聴いた単語のスペルがイメージできない、そんな経験、ありますよね。
単語には、アクセントがあります。そして、品詞ごとに「文字列の型」があります。ポイントは単語の末尾です。
似たようなスペルの単語を集め、読んでもらい、復唱します。
単語を見て聴くことで、アクセントの法則をリズムとして捉えることができるようになります。
では早速、例をみてみましょう。赤字はアクセント、下線部は文字列の型にあたる箇所です。
<名詞>
・-tion:station(駅)、imagination(想像)、vacation(休み)、conversation(会話)
・-ce: acceptance(受け入れ)、compliance(法令遵守)、ambulance(救急車)
・-ty:ability(能力)、quality(質)、quantity(量)、community(共同体)
<形容詞>
・-ive:passive(受け身の)、positive(積極的な)、impressive(印象的な)
・-ble:possible(起こりうる)、available(利用可能な)、eligible(権利がある)
・-ent:fluent(流暢な)、convenient(便利な)、efficient(効果的な)
・-al:international(国際的な)、global(世界的な)、occasional(ときどき起こる)
<副詞>
・-ly:rapidly(急いで)、equally(等しく)、drastically(徹底的に)
<動詞>
・-ate:allocate(割り当てる)、appreciate(感謝する)、facilitate(手助けする)
・-sh:abolish(廃止する)、refresh(元気づける)、 accomplish(達成する)
・-ize:recognize(認識する)、organize(計画する)、standardize(標準化する)
・-ify:verify(証明する)、justify(正当化する)、simplify(単純化する)
単語の型がイメージできたら、今度は文字を見ずに、リスニングのみで聴きます。
そして、「型」の部分を中心に単語の文字列をイメージします。
さらに、耳で聴いた音を文字としてイメージできるように繰り返します。
単語のアクセントや特徴的な型の音を印象付けることで、音と文字列を紐づけることができるようになります。
ステップ2:熟語は頻発する短い単語にフォーカスしよう
助詞や冠詞が聞き取れないことが、リスニングの苦手意識の原因であることは多いです。
それには、主に3つの理由があります。
・通常、助詞や冠詞は強調されない
・前後の単語とつながって音が変わってしまう
・英語発音の特徴上、「ッ」と音が欠落しているように聞こえることが多い
熟語のリスニングのコツは、熟語全体を1つの単語のように捉えることです。
そして、メインワード以外の短い単語(of、a、on、to、upなど)の聞き取りに着目します。
なぜなら、これらの短い単語は、あらゆる文章で頻発するからです。
頻発する短い単語が、前後の単語と連なって変化する音(リンキング)を意識することで、聞き逃しがちな音のリズムを捉えることができるようになります。
では早速、例を挙げてみてみましょう。赤字部が聞き取りに着目する箇所です。
・on:take on(着る、着陸する)、cut in on (割って入る)、proceed on(進む)
・up:look up(見上げる)、look up to(尊敬する)、get up(起きる)、
・of:out of order(故障中)、get rid of(取り除く)、consist of(成り立つ)
・with:cope with(対処する)、get along with(仲良くする)、come up with(思いつく)
・at:at the moment(現時点は)、at a loss(途方に暮れる)、at first(初めに)
・just:just in case(念の為)、just a moment(少しの間)、just around the corner(すぐそこ)
・for:for a long time(長い間)、for a while(暫く)、account for(占める)
・by:by chance(偶然)、by all means(ぜひ)、by the way(ところで)
熟語を構成する前置詞や冠詞の音が掴めてきたら、今度は文字を見ずに、リスニングのみで聴きます。
そして、その熟語を構成する単語数を思い起こします。
さらに、耳で聴いた音を文字としてイメージできるように繰り返します。
目立たない冠詞や前置詞の音の変化を掴むことことで、リンキングによる音の変化を捉えることができるようになります。
ステップ3:文章はフレーズにフォーカスしよう
これまで、単語で強調される箇所の聞き取りを、熟語で目立たない箇所の聞き取りを強化してきました。
文章は、単語と熟語の合作です。そして、仕上げは文節を捉えることです。
聞き取り段階で、文字を目で追うことは可能です。
しかし、復唱においては、ほとんどの場合、文を一息で言い切ることはできません。
従って、音の切れ目を意識し、復唱できるフレーズで区切ります。
そして、文節毎の復唱ができるようになってきたら、文全体を通して復唱します。
その際、どの文節が一番強調されているのか、文の強調箇所を意識します。
文の構成をグルーピングし、フレーズとして捉えることで、英語の特徴であるイントネーションのリズムを掴むことができます。
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応用編:英語リスニングの柔軟度アップ!国と速度の設定効果
「リスニングの勉強、相手は誰でも通じるの?」という疑問、あると思います。
これまで、単語、熟語、文章、と、3つのステップ別に、聞き取りのためのアプローチを解説してきました。
実用へのステップアップには、柔軟性を育てることが効果的です。
ここでは、応用編として、個人差に寄り添うための2つのアプローチを紹介します。
リスニングの読み上げ設定で性別や国を変える
英語のアクセントは、国や人によって異なります。
国や性別など、読み上げる人の設定(※)を変えてみましょう。
この際のポイントは、あなたにとって「聴きやすい人」を設定することです。
脳の柔軟性を高めるためには、デバイスで異なる設定をすることも効果的です。例えば、モバイルではイギリス男性、タブレットはアメリカ女性、というように、です。
同じ国や性別でも、声のトーンや声質により、あなたにとっての聞き取りやすさは異なります。
リスニングに費やすのに心地よい環境を整えることで、無理なく聞き取りを継続することができます。
(※)文を読み上げる人の設定は、PC(Windows, Mac)も、モバイル(iOS, Android)も、OS機能に備わっています。「Mac テキスト読み上げ 設定」などで検索すると、設定方法を調べることができますので、ぜひ試してみてください。OSに備わっている読み上げ機能活用の工夫については「OS機能で自由自在!!英語リスニング勉強法の5ステップ」で詳しく解説しています。
リスニングの読み上げ速度を変更する
慣れないリスニングにおいて、聞き取りを「速くてわからない」と感じる人は多いです。逆に、慣れてくると「この読み、速いな」と感じるようになります。
そんな時は、「あなたが聞き取りやすい」速度に調整しましょう。
全体の音を聞き取れているという実感の上で、さらに読み上げの「間」が冗長的に聞こえてくる場合は、速度を上げても構いません。
リスニングの絶大なメリットの1つは、時間の節約です。
聞き取りに問題がないのであれば、速度を上げ、時間効率を上げましょう。
私の経験では、1.5倍速くらいまでであれば、イントネーションや音のリズムを崩すことなく、全ての単語を聞き取ることが可能です。
ただし、これは、「全ての音の聞き取りができている」と実感できている場合に限ります。聞き取りができていない状態で速度を上げても、聞き取ることができるパーツが減るだけですので、おすすめしません。
あくまであなたのペースで進めることで、「心地よい」状態でリスニングを継続することが大切です。
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まとめ:目と耳で上達する英語リスニングのコツ
今回は、リスニングの「聞き取り」を上達させるためのコツをステップ毎に解説してきました。
・ステップ1:単語は品詞別にまとめよう
・ステップ2:熟語は頻発する短い単語にフォーカスしよう
・ステップ3:文章はフレーズにフォーカスしよう
また、聞き取りができることによる、英語学習におけるメリットもおさらいしましょう。
・音がわかることにより、初めて聞く単語のスペルをイメージできるようになる
・アクセントやイントネーションの理解により、文の強調箇所をフォーカスできる
・リーディングに伴う脳のストレスや読解時間を大幅に軽減できる
聞き取りに対し、「わからない」と諦めたり、苦手意識を強くする必要はありません。
それぞれのステップでフォーカスすべきポイントを意識し繰り返すことで、着実にリスニング力を上達させ、メリットを活かすことができるようになります。
ぜひ、今日から取り組んでみてください。
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最後までお読みくださり、ありがとうございました。